BRICs(ブリックス)

有力新興国とされるブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の頭文字をとった造語。アメリカの証券会社ゴールドマン・サックスが2003年の投資家向けレポートで使用したのが始まり。sを南アフリカ(SouthAfrica)とする場合もあります。
発展する新興国というイメージではなく、将来の世界経済の中心として認識する必要があります。

躍進する新興経済大国

BRICsはすでにポピュラーなキーワードになりました。BRICsは、ブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字をとったもので、成長著しい新興国の代表として注目を集めています。末尾のsは複数形を表しますが、南アフリカのことを指す場合もあります。

アメリカの証券会社が2003年にレポートで使って以来、広く使われるようになりました。

BRICsの共通した特長は、広大な国土、原油や鉄鉱石などの豊富な天然資源、労働力の源泉となる膨大な人口を持つこと。

例えば人口では、中国が約13億8400万人(世界1位)、インドが約12億3600万人(2位)です。ブラジルが1億9800万人(5位)、ロシアが1億4300万人(9位)で、BRICs4国だけで世界の人口の約4割を占めています(WHO 世界保険統計 2014年版)。

国土面積ではロシアが世界1位、中国が4位、ブラジルが5位、インドが7位です。人口の増加、広い国土などを背景に経済成長を成し遂げ、近年では世界平均を上回る高水準の成長を記録しています。

BRICsの4国の株式に投資するBRICsファンドもあり、人気を集めています。

【ワンポイント】
BRICs の次なる成長国として注目されたのがネクスト11です。ネクスト11は、経済 の伸びや政治的安定性、人口の伸びなどの基準で選んだ11カ国で、韓国、メキシコ、トルコ、インドネシア、イラン、パキスタン、ナイジェリア、フィリピン、エジプト、バングラデシュ、ベトナムが含まれます。

今後の世界経済におけるBRICsの規模

BRICsの躍進によって、経済大国・日本の地位は脅かされようとしています。

今後も引き続き順調に経済が発展していくと、BRICsが世界経済の地図を大きく塗り替えるという予測もあります。既に、中国は2010年、日本を抜いてGDP世界第2位の経済大国になりました。また、2039年には、現在の世界の経済大国であるアメリカ、日本、ドイツ、フランス、イギリス、イタリアの合計をBRICsが経済規模で上回るという予想もあります。

このように世界のパワーバランスに劇的な変化が訪れるかもしれません。

約10年前までは、世界経済の中心は「米国」、「欧州」、「日本」の三極体制でした。しかし今後は、「米国」、「EU(欧州連合)」、「BRICs」の新体制に変わる日もそう遠くはないかもしれません。

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